大判例

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東京高等裁判所 昭和31年(う)837号 判決

被告人 日沖博

〔抄 録〕

弁護人の控訴趣意第一点について。

原判決の挙示する標目の各証拠を綜合すれば、原判示の各事実は優にこれを認めるに足り、事実誤認の疑はなく、また法律の解釈適用を誤つた違法もない。被告人は原判示の如き詐言を弄し、夫々買受人をしてその旨欺罔して錯誤におちいらせ、因つて代金名下に原判示金員を交付せしめたこと明らかであり、かくの如く相手方を欺き、相手方の信じているよりも品種の劣る別種の品を引き渡した場合には、交付を受けた代金全額が騙取額となるのであつて、該代金と引き渡した品の価額の差額が騙取額となるものではないのであるから、原審の判断は相当であり、所論の如き審理不尽あるいは理由不備の違法は存しない。それゆえ論旨は理由がない。

(中村光 脇田 鈴木)

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